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神永正博氏・小飼弾氏トークセミナー@丸善(その1)

2009 5月 16
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by ベン
神永正博氏・小飼弾氏トークセミナー@丸善(その1)君のてのひらから
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セミナー最後の質疑応答で、「統計に興味を持ったきっかけは?」と問われ、「子どものころカード当てに7回連続して成功したので超能力があるんじゃないかと思い、500回試行してみたら、結果大数の法則を身をもって体験した」と答えた神永氏。

その言葉をきっかけに、私が確率や統計が好きな理由はなんだろうと思い出してみると…
数学が苦手だった私がなぜか「確率・統計」を学んだときの定期テストで満点を取ったからだと思い出した。

そんな(どんなだ)私なので、谷岡一郎氏の著作は、何冊か持っている。
[Amazon] 「谷岡一郎」で検索

「教育」に興味があるので、神永氏の著作『学力低下は錯覚である』を読んで、下記エントリを上げた。
大学における人材のプール機能の喪失 | 君のてのひらから

学力低下は錯覚である

著者/訳者:神永 正博

出版社:森北出版( 2008-06-27 )

定価:¥ 1,890

Amazon価格:¥ 1,890

単行本(ソフトカバー) ( 160 ページ )

ISBN-10 : 4627975112

ISBN-13 : 9784627975118


そして、会社帰りに立ち寄った丸善で見覚えのある名前と統計の本ということで、即購入。
そうしたらセミナーの整理券がついてきた次第。ラッキー。

不透明な時代を見抜く「統計思考力」

著者/訳者:神永 正博

出版社:ディスカヴァー・トゥエンティワン( 2009-04-15 )

定価:¥ 1,680

Amazon価格:¥ 1,680

単行本(ソフトカバー) ( 272 ページ )

ISBN-10 : 4887596995

ISBN-13 : 9784887596993


これもなにかの縁だろうということで、聴講してきました。
セミナーの模様を簡単にまとめます。

ディスカヴァー社長室blog: 小飼弾氏・神永正博氏対談セミナー@丸善丸の内本店 ●田中
404 Blog Not Found:お報せ- 神永・小飼対談@丸善丸の内 on 2009.05.15

Masahiro Kaminaga’s Weblog: 「統計思考力」リンク集拡充&告知3件

サマリー

  • 統計リテラシーが必要な3つの理由
    1. データは議論のための共通言語
    2. データがないと思考が深まらない
    3. 「誰が正しいか」ではなく「何が正しいか」がわかる
  • 統計を見る際に知っておきたい3つのポイント
    1. 調査の規模はどれくらい? 誰(何)を調査したのか?
    2. 偶然と考えられないか
    3. 疑いすぎない
  • 自分の頭で考える人の三大要素
    1. しつこい
    2. 欲深い
    3. 物わかりが悪い

3×3の構成ですね。
以下、神永氏を[神]、小飼氏を[弾]とします。

なぜ統計リテラシーが必要なのか

データは議論のための共通言語

[神] 食料自給率 → カロリーベースで見れば「40%」、価格ベースで見れば「70%」。農林水産省が発表する統計なら、農業にお金を使う必要を訴えたいのだから、「40%」のほうを使う。
[弾] その人が見たいデータだけを見せるのがテクニック

データがないと思考が深まらない

ふたりが本を紹介されていました。
まず、神永氏。

環境危機をあおってはいけない 地球環境のホントの実態

著者/訳者:ビョルン・ロンボルグ

出版社:文藝春秋( 2003-06-27 )

定価:¥ 4,725

Amazon価格:¥ 4,725

単行本 ( 671 ページ )

ISBN-10 : 4163650806

ISBN-13 : 9784163650807


[神] ロンボルグはこの本で、環境に関連する膨大なデータを分析している。

小飼氏

単純な脳、複雑な「私」

著者/訳者:池谷裕二

出版社:朝日出版社( 2009-05-08 )

定価:¥ 1,785

Amazon価格:¥ 1,785

単行本(ソフトカバー) ( 421 ページ )

ISBN-10 : 4255004323

ISBN-13 : 9784255004327


[弾] 池谷さんは著作のなかで「人間は主体的に選ぶことができない。目の前の選択肢から選べない。」ということを言っている。データは「選択肢」を増やすことにつながる。

「誰が正しいか」ではなく「何が正しいか」がわかる

[神] これがとっても言いたいこと。
[弾] 数学のことを語らせたら、数学者がいちばん正しいと思う。「誰か」で判断してしまうのが現実。でもデータが公平性の担保をしてくれる。

統計を見る際に知っておきたい3つのポイント

調査の規模はどれくらい? 誰(何)を調査したのか?

[神] SSM調査なんかの大規模調査と比べると、独自調査は規模の面から今いち信用できない。
社会階層と社会移動全国調査 – Wikipedia
[弾] とはいえ、選挙結果の予測は、全数の1%程度のサンプルなのに、かなり正確では?
[神] おそらく、割当法を使って、投票者の縮図を作っているのだと思う。
[弾] 統計を使ってなにかする立場だと、統計にだまされないようになっている。

偶然と考えられないか

[神] まず、ポアソン分布ではと疑う。雑誌かなにかで、ガン治療5年の生存率で病院のランキングをするという特集があった。
5年後の生存率で病院のレベルがわかるか? 5年後の生存率はポアソン分布ではないのか? それに操作も簡単にできる。
[弾] もうダメそうな患者を受けつけなければいい。統計のウソを見抜くのも統計。

ポアソン分布 – Wikipedia

疑いすぎない

[神] 統計を利用するときには疑いすぎない。疑う、疑わないのさじ加減が難しい。
[弾] そのさじ加減のかんどころがわかるのがプロなんじゃないかと、最近思う。

自分の頭で考える人の三大美徳

「プログラマーの三大美徳」にインスパイア

しつこい

[神] アーサー・ケイリー
Arthur Cayley – Wikipedia, the free encyclopedia
とにかく、しつこく線形代数について調べてしまった。弁護士をしている間に、数学の論文を書きまくった。
書いた論文は650。
[弾] わきにそれるが、書きまくったといえばオイラー。全集はまだ未完。
Leonhard Euler – Wikipedia, the free encyclopedia

欲深い

[神] カルロ・ルビア
Carlo Rubbia – Wikipedia, the free encyclopedia
いっしょに仕事をした人からは嫌われるけど、ノーベル賞を受賞しても、フロンティアを切り開く情熱を失わない。

ものわかりが悪い

[神] 山極勝三郎、市川厚一
山極勝三郎 – Wikipedia
当時、癌の発生メカニズムには諸説あり、「寄生虫説」「刺激説」などがあったが、「寄生虫説」がノーベル賞を受賞したあとも、ウサギの耳にコールタールを塗り続け、癌を発生させ、「刺激説」を示した。
「寄生虫説」のちに否定されている。

注) wikipediaを見た限りでは、「寄生虫説」がノーベル賞を取る前に癌を発生させているみたいですね。

[弾] 神山さんの人選がマニアック(笑)。アインシュタインもじゅうぶん、ものわかりが悪い人。ものわかりが悪いから、自分が光の速度で動いたらどうなるだろう..なんて考えるところまで行けた。

[神] 頭のいい人は研究者に向かないのではないかと思っている。けっして頭がいいとは言えず、学会で的外れな質問をした人が、きっとその後も考え続けたのであろう、大きな研究成果を挙げたりする。

[弾] 頭がいい人が研究者として成功するためには、欲深さが必要なのでは。

[弾] とてつもなく頭が良くて欲深かったフォン・ノイマンもなしとげられなかった、不完全性定理の証明を、けっして頭がいいとは言えず、空気も読まない、ゲーデルが成しとげたという例もある。
ジョン・フォン・ノイマン – Wikipedia
ゲーデルの不完全性定理 – Wikipedia

[神] ビジネスの現場というのはスピード感が求められるし、すべてのデータを揃えて判断する時間もないだろう。でも、考え続ける愚直な人に支えられている一面もあるのではないか。

ここまでの感想

カエサルの言葉「人は見たいと欲する現実しか見ない」を思い出しました。
結局、見たい現実を見せて、選択を迫るというのが人を導く方法なんだな…マキャベッリさんもそんなことを言っていたような。

理系ウンチクねたがすごいですね。
いる業界が業界だけにフォン・ノイマンの名前や、不完全性定理の話は本で読んだので知っていましたが全然ついていけないです。
この記事を書きながら、Wikipediaを読みふけり気味です。


長くなったので(その2)質疑応答・まとめ
に続けることにします。

聞きながらメモを取り、ICレコーダーで録音もしていないので、聞き取り間違いや誤解などあるかもしれません。
もし参加されたかたで、誤りに気がつかれたかたは指摘いただけるとうれしいです。