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日本で同じ調査をしたらどうなるだろう ― 80%の自分語り

ついったーの40%は「ひとりごと」でできていますに引き続き、原文を読んでみようという試みです。


Twitterユーザーの80%は「自分語り」中心 米大学調査 - ITmedia News http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0910/05/news028.html


なんでこういう記事に元の調査が載っているリンクを付けてくれないんでしょうか。 以下、元の大学の調査紹介とそれを紹介したmashableの記事です。 大学の調査紹介記事のリンクから、調査内容をたどれます。 ITmediaの記事はmashableの記事を元にしているんですかね。


Study Reveals Two Types of Twitter Users http://news.rutgers.edu/medrel/news-releases/2009/09/study-reveals-two-ty-20090929

STUDY: 80% of Twitter Users Are All About Me http://mashable.com/2009/09/29/meformers/


40%のひとりごとに比べて、つぶやき採取のしかたも、分析のしかたも違うようです。同様にまとめてみましょう。 今回の文章は論文ということで固めの言いまわし。がんがんはしょっています。 これは変だとか、はしょりすぎだということがあれば、ご指摘ください。

INTRODUCTION (前書き)

Twitterのようなソーシャルメディアの利用法について、いろんな調査があるけれど、その隙間を埋めるために、そもそも、個々人がどのような使いかたをしているのかをまず知っておきたい。そこでTwitterユーザのつぶやきから、ソーシャルメディア上での投稿の内容を分類し、それがユーザの性質とどのように関連づけられるのか、ということを調べて、今後の研究に寄与したい。

METHOD (調査方法)

Generating Content Categories (カテゴリわけ)

  • Information Sharing(記事を紹介する投稿)
  • Self Promotion(自分のブログ更新通知など)
  • Opinion/Compaints(意見や訴え)
  • Statements and Random Thought(思いつき)
  • Me now(~なう)
  • Question to followers(問いかけ)
  • Presence Maintenance(あいさつ)
  • Anecdote (me) (自分の逸話)
  • Anecdote (others) (他人の逸話)

ひとつのつぶやきが複数のカテゴリに入ることもありえます。 また、分類係のふたりそれぞれで、各々のつぶやきを分類していきます。

Dataset (ユーザ抽出方法)

まず、パブリックTLから125,593のUser IDを抽出します。 そして、次にアクティブな個人ユーザをとりだします。

アクティブは個人ユーザとは具体的には

  • マーケッターや会社組織などのように何かを売るためにTwitterをしていない
  • 10フォロー以上
  • 10フォロワー以上
  • 10 Post以上

を満たす人である。

この結果、911ユーザまで絞った。 さらにここからランダムにユーザーを選択し、350ユーザを調査対象とした。

Coding(つぶやき分類)

調査対象の350ユーザのうち、他のユーザへのReplyを除いて、10 Postずつを抽出した。 Replyを除いたら、10 Postに満たない人が出たので分析対象は3,379はメッセージとなった。

そして、上記のカテゴリにメッセージを分類していく。 8人の分類係りが9つのカテゴリに分類していくが、ひとつのPostをふたりが見て分類した。主観をなるべく排するためだ。 また、ひとつのPostを複数のカテゴリに分類することもした。 平均で1Postにつき1.3カテゴリに分類された。 140文字の短いメッセージなので分類にもそれほど苦労はしなかった。

ANALYSIS(分析)

ポイントは3つ。 1) どのカテゴリのメッセージがみんなに投稿されているのか? 他の要素との関連はあるのか? 2) 普段の投稿の種類からユーザーをわける違いとはなにか? 3) その違いによって、他のユーザーの特性に違いはあるか?

分類してみた結果、Information sharingに分類されたはの22%、他はOpnions/Complaints、statements、me nowが多くなった。ここからみると「自分について語る」のが多い。

1)は、男女差と投稿環境について調査してみた。 結果、女性のほうが"Me Now"の投稿が多い傾向があった(女性 45%,男性 37%)。 またモバイルからの投稿だと51%が"Me Now"の投稿で、Webからの投稿では37%となっている。

2)は、投稿の傾向によって2つのクラスタに分類してみた。その際、クラスタの中の違いが最小に、クラスタ間の違いが最大になるようにしている。結果、20%の"Informers"(情報つぶやきユーザ)、80%の"Meformers"(自分つぶやきユーザ)に分類された。"Informers"は51%がInfromation sharingの投稿なのに対し、"Meformer"は48%がMe Nowの投稿だった。

3)は、2)で分類した"Informer"と"Meformer"間で比べてみると InformerのFriendsが131、Followerが112 MeformerのFriendsが61、Followerが41 の中央値となった。

DISCUSSION AND CONCLUSIONS(結論)

多くのユーザは「自分」にフォーカスをあてる一方、情報を共有するユーザは少数派だとわかった。 しかしながら、自分を語るということはユーザの関係維持に役立っているということに、気をとめておく。 "Information Sharing"の投稿が多い人はより他の人とからむ傾向が強いということも示唆されている。

一つの仮説として、Informerはもっとおもしろいことをつぶやくことで、フォロワーを喜ばせている…ということがある。 別の言いかたをすれば、Informerは読者と、自分の投稿への注目を求めている。その結果、フォロワーが増えているのではないだろうか。 仮説は、長期にわたる研究で明らかにしていきたい。 今回の研究では、SNSと実際の社会での影響度の関係については、明らかにすることはできなかった。 ユーザはタイムラインで見つけられる他のユーザの行動に影響を受け社会的学習の支配下にあるのは確からしい。 今後研究を深めていくつもりだ。


読んでみての感想

こちらの調査では、つぶやきではなくユーザに調査の主眼を置いています。 よって、つぶやきの抽出のしかたも異なります。replyを数えていませんしね。

モバイルからの投稿だと、"Me Now"な投稿が増えるのは、「Twitterでの行動はクライアントに規定される? | 君のてのひらから」で見たとおりだなということ。 クライアントと投稿の関係について、もっと深めてみるとおもしろいんじゃないかなぁ。

また、「140文字という短いメッセージだと分類に苦労しなかった」というのは英語だからじゃないかなと思いました。 日本語だと140文字でかなりの情報をつっこむことができます。 日本語で上記の分類の結果すると、どうなんだろうな。カテゴリ重複するのが続出するんではないだろうか。 慶應のSFCあたりにいてコミュニケーションを研究してる人は、ネタにする価値があるんじゃないでしょうか。

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