手帳術と手帳戦略(その3)

手帳術と手帳戦略(その2) | 君のてのひらから の続き。

その2で紹介した、『一冊の手帳で夢は必ずかなう』では、ありたい自分をイメージしてそれに近づくためのPDCAサイクルをまわしていく...という実践例です。 そのPDCAサイクルをまわすためのツールとして、システム手帳を使おうということでした。

ところがPDCAの最初のPLANを立てるのがしんどいんだ、と思う人もいるのではないでしょうか。私はそうでした。リフィルセットを買ったはいいが、夢・人生ピラミッドを目の前に途方に暮れてしまう...なんてことになりかねません。

そんなときの助言となるのは、綴じ手帳の雄、能率手帳を販売している日本能率協会の社長である野口氏の著作『能率手帳の流儀』です。

能率手帳の流儀

能率手帳の流儀

当社が提供している研修プログラムでも、五年後のジジョン、十年後のありたい姿といったものを書き出してもらう機会があります。そうすると、多くの人が何も書けないで悩んでしまいます。自分には目標がない、ビジョンが欠落している。ああ、だめな人間だと悲観する。 しかし、ちょっと待ってください。何も書けないのがふつうだと思いませんか。

ここだけ見ていると、熊谷氏にけんかを売っているように見えます。 ですが、最終的には手帳でPDCAサイクルをまわそう、という内容は両者に共通なのです。

『一冊の手帳で夢は必ずかなう』にはなくて、『能率手帳の流儀』にはあるもの。 それは、手帳に書くことがないと嘆く人へのヒントです。

ずばり、今日の出来事を書く。

PLANを立てる前に、自分が何者であるか知るための振り返りのツールとして手帳を使おうということですね。いずれそれが習慣になって、PDCAサイクルを回していけるようになるというメッセージが本書にはあります。

手帳に書くことがないと嘆くなら、とりあえず、日記として使ってみるのがよいのではないでしょうか。手帳の使いかたも、システム手帳の組みかたも年々変わるものだと考えれば気楽なものです。

手帳に何か書くというアクションが身につくころには、自分流の手帳術はすでに確立されていると思います。そのころには手帳術の本を読んでも、必要以上に惑わされることもなくなっているはずです。

(了)


手帳術と手帳戦略(その1) | 君のてのひらから 手帳術と手帳戦略(その2) | 君のてのひらから