『激震 マスメディア ~テレビ・新聞の未来~』を見て

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激震 マスメディア ~テレビ・新聞の未来~ http://www.nhk.or.jp/special/onair/100322.html

を追いかけながら見ていました。 これだけでも時代の変化ですかね。

思ったことをまとめます。

メディアとコンテンツを分離した議論を

まず、メディアについて。 テレビや新聞といったマスメディアは、あくまでメディアのひとつであるということを、テレビ・新聞の側の出演者はわかっているのかなと思いました。 その情報を流すのに既存メディアが向いているのかどうかよく吟味せずに、とりあえず、テレビ・新聞なんじゃい!とだけ発言し続けるのは、ただ単に情報の流通を自分達の統制に置きたいだけではないの?という印象を抱きました。

次に、コンテンツについて。 テレビや新聞のコンテンツ作成の能力について、疑問が呈されているわけではないのです。 私は、能力ではなく、恣意的な意見を流す点、視聴率ばかりを気にしていて、視聴者のほうを向いていない点、つまり、能力の使いかたについて、疑問を抱いています。

たとえばジャーナリズムにおいて、コンテンツを、

  • 取材する人
  • 編集する人
  • 報道する人
  • 消費する人

の立場があるかと思うのですが、それぞれの立場からの観点があるんじゃないかと感じます。 特に今回は、取材する人の観点に欠けていたように感じますので、次回があるなら、ぜひ取り上げてもらいたいです。

この2点の議論がごっちゃになってしまって、論点として視聴者に正しく伝えられていないと思います。 広告費、新聞社・テレビ局のなかの人の処遇に話題が及ぶと、メディアとコンテンツの議論がごちゃごちゃになる傾向を感じています。

取り上げられていないこと

アメリカと日本以外は

アメリカと日本以外の国って出てきていませんよね。 ヨーロッパではどうなっているんでしょう。 韓国でも、ネットと報道のありかたについて話題になっていましたよね。

先行事例としてのアメリカを取り上げるのはいいのですが、そのころ

テレビと新聞以外はメディアじゃない?

インターネットというメディアの登場によって影響を受けている既存のメディアはテレビと新聞だけではないですよね。 ラジオの対応、雑誌の存続についても話をしてみ

20代と10代の意見…

20代前半と10代はこの番組を見ていたのかな…と思いました。 番組の間、画面下で流されていた、事前にメールやホームページで収集した意見でも、10代20代の意見はほとんど見かけなかったように感じました。 (再放送のときにちゃんとカウントしてみようかな) そもそも、20代と10代がテレビと新聞に触れていない可能性がありますよね。 その観点もとりあげるといいかなと思います。

まとめ

まとめると、今回番組内で触れられなかったことももっと取り上げるべきなのではないかなと思うのです。 正直90分という枠でなにが解決するとも思っていません。問題提起できれば十分だと思います。 次回は4時間くらい時間をとるか、1時間6回シリーズくらいで、今回取り上げられなかったことも取り上げてくれるとうれしいな。

自分のいるSI業界(といっていいのだろうか)でも似たような議論をしたいのだな、と気がつきました。 SIというビジネスではもう限界な感じを現場で感じているのに、議論する場がない、ということにも気がつきました。 その点、マスメディアは自分たちのことを議論する場を自分たちで用意して、しかも広く人々に知らせることができることができるのを、うらやましく感じてしまいます。 危機感を共有する場を立ち上げられるかな。飲み屋のすみでもいいんですけど。

『老害』がなんだか、馬耳東風なのは、きっといっしょですけどね。