オーストラリアがAFCにいる理由

オーストラリアとの決勝戦を制し、日本代表の優勝で幕を閉じた、AFCアジアカップ2011。

しかし、オーストラリアがオセアニアにあるのに出場している理由を疑問に思う声を私のTwitter上のタイムラインでちょこちょこ見かけました。そこで地理と所属する大陸連盟が一致していないチームについてまとめてみたいと思います。

大陸連盟とは、FIFA(国際サッカー連盟)傘下にある

アジアサッカー連盟(AFC)
アフリカサッカー連盟(CAF)
欧州サッカー連盟(UEFA)
オセアニアサッカー連盟(OFC)
北中米カリブ海サッカー連盟(CONCACAF)
南米サッカー連盟(CONMEBOL)

登場する国・地域は、

イスラエル
オーストラリア
旧ソ連(カザフスタン、アゼルバイジャン)
ギアナ地方(フランス領ギアナ、ガイアナ協同共和国、スリナム)
キプロス
グアム

です。

イスラエル

西アジア:AFC(創設時から)→OFC(暫定)→UEFA

一番政治状況に翻弄されているのがイスラエルと言えるでしょう。 AFC発足時からメンバーであり、1970年のFIFAW杯ではアジア枠で出場、アジアカップでも優勝を果たしています。しかし、第四次中東戦争の勃発により、他国からの対戦拒否を受け、AFCを除名。OFCの暫定メンバーとなり、1990年W杯予選はオセアニア枠で参加し、プレイオフ進出しています。その後、遠征時の移動の問題もあり、UEFAへの移籍を希望し、1992年から所属しています。

オーストラリア

オセアニア:OFC(創設時から)→AFC

1966年にOFCは創設されていますが、1982年W杯予選までは、アジア枠として予選に参加していました。 1986年W杯予選からは、オセアニアとして独立した予選を行いますが、出場枠「0.5」ということで、どこかの大陸の国と大陸間プレイオフを戦うことを強いられて、スコットランド、アルゼンチン、イラン、ウルグアイを相手に苦杯をなめてきました。また1990年W杯予選では、当時AFCを除名されていたイスラエルがオセアニア枠で予選に参加、プレイオフに進出しています。

2002年Wでの盛り上がりを受けて、

代表の強化(OFCではニュージーランド以外レベルの高い相手がいない)
W杯出場枠の確保

を目的として、AFCへの加盟運動を続け、2006年にAFCへの加盟をはたします。

2010年W杯への出場をアジア予選から果たし、また、2011年AFCアジカカップでは韓国、バーレーン、イラク、日本といったチームと激戦をすることができているので、それぞれ目的が達成できていると言えるでしょう。

旧ソ連

ソ連崩壊後の独立国は元々ソ連がUEFA所属だったため、UEFAかAFC所属になることを選ぶことができました。アゼルバイジャンは、地理上は西アジアですが、UEFA所属です。

ウズベキスタン

中央アジア:AFC

カザフスタンの前振りとして紹介します。地理的には中央アジアに属するウズベキスタンは、W杯への出場の容易さ、ソ連からの脱却をかかげてAFCに所属することを選択しました。 1994年の広島アジア競技大会でいきなり優勝しました…が、いまだにW杯への出場を果たせていません。 2010年の予選では、バーレーンとのアジア5位決定戦に敗れて、あと一歩というところで出場を逃しました。

カザフスタン

中央アジア:AFC→UEFA

ウズベキスタンと同様の理由でAFCの所属を選択したカザフスタンですが、AFCでもW杯出場できず。2002年のW杯予選終了後、強豪国との対戦が組まれるUEFAに加盟しました。

ギアナ地方

南米:CONCACAF

ガイアナ、スリナム、フランス領ギアナは南米にあるのに、CONCACAF所属です。カリブ海に面しているので問題はなさそうではあります。元々、イギリス領ギアナ(ガイアナ)、オランダ領ギアナ(スリナム)、そしてフランス領ギアナということで、スペイン・ポルトガルの影響が強い南米では、文化的にカリブ海のほうに近いということがあるのでしょう。