個人的音楽消費の変遷 - 中古CDとiPod

新品であれ、中古であれCDをめっきり買わなくなった今日このごろ、実感としてありましたが...

なかなか興味深い統計結果。日本レコード協会の「音楽メディアユーザー実態調査」。2008年度版の調査結果が3月12日に公開されてる。 (中略) こういうデータをいじくるのは好きなので、せっかくなので自分もちょっと分析することにした。幸いなことにデータは結構ネットであたれるし、これ以外にも相当なものが転がっているので。便利な世の中に感謝だねえ。 音楽業界はどうなるんでしょうね - 音楽メディアユーザー実態調査で考える - タケルンバ卿日記

詳しい分析は上記ページを見ていただくとして、個人的に興味深かった点をふたつ。

  • 中古の売上のがたおちっぷり
  • レンタルの利用数が落ちていないのに、レンタルCD店が減っている

1点めは、自分の音楽の消費活動の変化にひきつけて思う点。 2点めは、ちょっと推測してみたことです。 このエントリでは1点めに関して書きます。

音楽消費の変遷

中古CDを買わなくなった理由を考えるのに、まず、「なぜ中古CDを買うのか...」という点を考えてみました。 最近買ったところで考えると、 「たまたま中古CDの安売りをしていて、レンタルしてMDかカセットに録音したっきりのCDが格安で売られていたのを見つけた」 例しか思い出せません。 そして、そのCDはリップされて、iPodへと取り込まれました。

そう、今や音楽の生活はiPodが中心になっていました。 じゃあ、昔はどうだったか...

1991年 中学入学・Walkmanを買ってもらう

再生専用Walkmanを買ってもらった私は、好きな音楽をどんどん、カセットテープに録音していきました。 録音は家にあったレコードから始まり、それが終わるとCD買うようなこづかいもなかったので、もっぱらレンタルCD店で借りたCDを録音していました。 その後、1995年に録音再生できるポータブルMDを購入しましたが、基本スタイルは変わらずでした。

1998年 大学入学・PC購入

私が音楽を「データ」、つまりmp3として取りこみはじめたのは、大学入学時Windows95が搭載されたPCを購入した1998年のことでした。 当時はリップ→エンコードにほぼCD再生時間と同じくらいの時間がかかっていたように記憶しています。 (エンコード品質によっては大学に出かけるときに取り込みを開始して、帰ってきたころに終わっているくらい) 購入したPCのハードディスク容量も当初2GBしかなく、途中で8GBを追加しましたが、レンタルCDをがんがん取りこんでいるうちに、あっという間に埋まっていきました。 ですが、mp3データを聴く方法は事実上、PCで再生するしかなく、外で聴く用には相変わらず、カセットとMDが活躍しているのでした。 当時カセットは、今のiPodでのプレイリスト的な使いかたをしていました。 MDやmp3をライブラリとして、好きな曲順に編成して、カセットのA面、B面に収める作業は楽しかったです。 mp3プレーヤーも出てきましたが、128MBで2万円くらいしていたような。

このころ、アルバイトもするようになったので、中古CDを買うようになりました。 購入目的は

  1. カセットに収めるプレイリストに入れるべき曲を求めて
  2. ラジオで紹介された古い曲、洋楽などを求めて

です。 新品はライブに行くくらい気にいった人のものしか買っていません。 (当時だと小島麻由美advantage LucyCymbalsくらいしか新品で買った記憶がない)

2005年 iPod購入

1台目のiPodを購入したのが2005年5月。まだ日本でiTunes Music Storeが始まっていないころです。 手持ちの全mp3データをiPodにつっこみました。 カセットでやっていたようなプレイリスト作成は、iTunes上で完結するようになりました。 カセットデッキを使うことはなくなりました。

2006年 iTunes Store本格化

iTunes Storeが日本での展開を本格化すると、中古CDを購入してきた理由の一つがiTunes Storeで済むようになりました。

  • ラジオで紹介された古い曲、洋楽などを求めて

これは、

  • iTunesで探すほうが圧倒的に楽ちん
  • 1曲単位で購入可能
  • 購入したそばから音楽データ

という点で、中古CD店より優位で、店舗から足を遠ざけるのに十分でした。 また、MDで録音したっきりとなっていたデータは、MDから音楽データを取り出す手間とコストを考えると、iTunesで購入するほうがよほど安上がりなのでした。

とまぁ、ここまでで、だいたい今の音楽生活のできあがりです。 中古CDを変わなくなったのは、iTunes Storeがきっかけなのがわかります。

あとは、

  • 音楽の探しかたが、CDショップでの試聴→Web(Youtube含む)での試聴になった
  • 初音ミク登場以来、VOCALOIDな曲を追うようになった

あたりが変わったことかなぁ。 だいたい元ページの分析通りになっていますね。

レンタルCD店が減っている理由については次エントリで。