パソコンってなにかを創るためのものだと思っていた

私自身は徐々にネットブック(or 家庭用途のA4サイズノート)+家庭内NASの方向に進んでいます。 ケータイでは創る作業がしづらいもので。 創るために効率がよいデバイスがパソコンであるならば、まだパソコンを購入している気がします。

自分自身のコトを考えても、今持っているものをもう一回くらい買い換えるかなあ、という感じ。それで「個人でパソコン買う」のは最後になるかもと思います。その後は、買うのは別の商品(別のコンセプトの商品)になるんじゃないかという気がする。

ええっと、まずはおことわりを。ちきりんはIT業界の人でもなく、その分野に詳しい訳でもありません。なので今日書くのは、単なるパソコンのイチユーザーの感想に過ぎません。

パソコンってやばそうだよね。 - Chikirinの日記

なので、このエントリには共感するものがあります。

私個人がパソコンでしてきたことはだいたい二つにわかれます。 何かを創るか、誰かの作った何かを見るか。 そして見る用途のほうは、だんだんケータイ的デバイスに置きかわっています。 流れを整理してみましょう。

創るためのパソコン

パソコンってもともと何かを創るために買ったものだったような気がするのです。

PC6601のカタログ Old Commputers Catalogues listより

象徴的な広告です。 「思いをカタチにするパソコン」創ることが中心の言葉です。 創るものが、プログラムであれ、ワープロの文書であれ、FM音源で作った音楽であれ、16色のイラストであれ、創っていることには変わりがありません。 一方見るための用途としては「ゲーム」がありますが、私がパソコン(PC9801-DXでした)を買ってもらった1990年当時は、ベーシックマガジンに投稿されたプログラムを書きうつしたり、MS-DOSの*.batの形式でゲームブックを作ったりして遊ぶなど、やや創る側の使いかたをしていたと思います。

見るためのパソコンの時代

ですが、1998年、大学入学を期にWindows95搭載のパソコンを買って、インターネットに接続すると「見るための要素」もぐっと強くなったと思います。 Webブラウザ → 閲覧ソフトですからね。 「DVDを普通に見られること」が当時のパソコンの性能を測るうえでの境目だったと思います。 見る要素がかなり意識されていますね。

そういえば、当時はi-modeもありませんでした。1999年開始です。 パケホーダイが見るためのPC全盛時代ではないでしょうか。 テレホタイムなど、懐かしい響きです。

創るという意味では、ホームページを作ったり、大学のレポートを書いたりはあいかわらずしていました。 一番CPUを食うのはDVD鑑賞、MP3エンコード、プログラムのコンパイルという時代でした。

見るための携帯デバイス、母艦としてのパソコン

2002年、社会人になったのを期に、(なんとなくかっこよかったので)CLIEを購入しました。 CLIEそのものは単体でネットにつなげはしませんでしたが、DocやPluckerを使ってパソコンでニュースサイトの情報をあらかじめとりこんでおいて、外出時に見るようなことをしていました。 ビデオ対応iPodPSPを入手してからは、動画すら携帯できるようになりました。 「見る」ためのPCの用途は急速にしぼんでいったと言えるでしょう。 パソコンは主に情報の母艦として機能していました。 iTunesやPalmDesktopが母艦用アプリケーションですね。

CLIEは使わなくなりましたが同じ用途として今はadvanced/W-ZERO3[es]が活躍しています。ad[es]はネットに接続もできますから、さらに便利です。

一方創るほうですが、音楽、動画を編集する、絵を描くという作業にはそれなりのCPUパワーを要するのは変わりはありません。 でも、それらの処理をサーバサイドでこなしてくれるとしたら...

今後の方向性...

ボーカロイドによる歌作りまで携帯電話でできるようになってしまいました。

音声合成など重い処理をすべて同社のサーバで行うことで、VOCALOIDを携帯電話やゲーム機など非力な端末でも利用できる。アプリケーションプロバイダ側で機能を限定したり、ユーザーインタフェースを自由に作ることも可能だ。

VOCALOIDの可能性、DTMの“外”にも——ヤマハに聞く「NetVOCALOID」 - ITmedia News
ケータイサイトは約10年も前からケータイだけで作れる。

魔法のiらんども知らないのか。

Dan Kogai氏がやばいと思うただ二つの理由 - Keep Crazy;shi3zの日記

文章やゲームはては楽曲まで、コンテンツを創ることは携帯だけで完結できてしまう時代なんですね...

パソコンを買うか?

  • 情報の母艦としての機能が必要
  • 何かを創るのに効率的

という間はまだまだパソコンを使い続けると思います。 動画、音楽を加工したりといった作業はパソコン上でやるのが(私自身の慣れも含め)楽ですから。 ただ、両方ともサーバサイドに移行しつつあるようです。

何かを創ることについては、前述しました。 母艦としては、DropBoxなどのサービスに魅力を感じます。 ということは、パソコン(的なもの)はサービス停止に供えたバックアップの機能を持っていれば十分ということにもなります。 そうすると対してCPUパワーもいらないし、ネットブック+家庭内NASで十分ですね。

というわで、動画編集、音楽作成などがサーバサイドで家庭からもストレスなく作業できるようになったときが、現状のパソコンの死にどきなんだと思います。