最近、新しく入ったメンバーに対して自分のチームの仕事について説明するという場面があり ああ、自分はこういうことを意識しながら説明しているのだと思うところがありましたので 今後の自分のためにメモがてら残しておきます。
そもそもなんのために「説明」をするかですが、相手にその物事を理解してもらって 次のアクションにつなげてほしいからです。
たとえば仕事であれば、仕事の内容を覚えてもらって、作業をしてもらう。 趣味の分野でも、その魅力伝えたり、興味を持った人に対して「活動するためにこういう準備をしてほしい」 ということを伝える場面があると思います。
説明に入る前に…
では、いざ説明と行きたいところですが、まず必要なのは現在の状態と 説明後に到達してほしい状態のギャップを確認することです。 そのギャップを埋めるために「説明」を行うわけです。
相手の前提の確認
まず、相手に伝えるにあたり、相手の現状を確認します。
- 説明しようとしている事柄に対して、相手はどこまで知っているか
- 専門用語についての知識はどれほどか
これによって、相手にどのような言葉遣いをすれば理解をしてもらいやすいか 考えるてがかりになります。
説明した結果相手にどうなってもらいたいか示す
説明をする目的は、自分が言いたいことを言うのではなくて、
- 知識を身につけて、作業を実施してもらいたい
- 伝えた内容を活用して、楽しんでもらいたい
と、相手をある状態にたどりついてほしいわけです。
最初に、自分が説明を行った後、相手にどのような状態にたどり着いてもらいたいか 示すことで、自分の説明の成否を確認することもできるようになります。
説明しているときに…
説明をしている最中に陥りがちなのは「自分が語りたいように語る」罠です。 「相手が聞きたいように語る」ことが必要です。
全体から個別というストーリーを意識する
全体の概要を示し、その中のどの部分について今説明を行っているか ちょくちょく確認します。
全体感を示した図を共有しながら説明ができると確認が楽です。 プレゼンテーション資料の構成でも、話の切れ目で目次を入れたり見出しに 目次を小さく入れたりして、全体のうちどこにいるのかわかりやすくする工夫が あると思いますが、同じことです。
これを意識すると「脱線」もしにくくなります。
相手に伝わる比喩を使う
1対1での説明である程度つきあいがあれば、相手が興味が持っていることで 似たようなことがあれば比喩を使うと相手の理解がぐっと深まる可能性があります。
逆に伝わらない比喩は使うともやもやが残るということです。
1950年代生まれの人が「野球に関する知識はみな持っている」前提で
- 思い切った施策に対して「ヒットエンドラン」
- 業務量を勘案したやや極端な人員配置に対して「王シフト」
と説明をして、1980年代生まれの人を置いてきぼりにしたのを見たことがあります。
1対1に比べ多数相手にすると説明相手の平均的な人物像の設定は難しいところではありますが、 世代的に共通の体験をしているであろうことなどを軸に比喩を探るのもいいかと思います。 私は共通の話題がないと思われる多数を相手にするときには、比喩表現をなるべく使わないように 心がけています。
一度に全部を伝えない
全体から個別にというストーリーを意識するものの、そのすべてを一気に全部話してしまっては 聞く側が理解しきれない可能性が高いです。
全体を5つのパートにわけるのだとしたら、1つ1つのパートが終わるごとに理解状況の確認を するなどして、次のパートに進める前提をクリアしているか確認しましょう。
説明後には…
説明後には、説明の目的を達しているかどうかの確認を行います。
相手が到達してほしい状態に達したか確認する
一度に全部を伝えないでも述べたことですが、到達してほしい状態に達したか 確認をしましょう。
- 相手に説明をしてもらう
- 説明していたことを理解して
などの手法で確認するのがよいでしょう。
ここで大事なのは、相手が到達してほしい状態に達していなかったら、相手が悪いのではなく
- 自分の説明がよくなかった
- 説明前の相手の状態の把握に失敗していた
- 説明後に到達してほしい状態の設定が高すぎた
という具合に、説明する側が悪いという態度を貫いてください この態度を貫けないと、おそらく私の説明を他の人がすすんできいてくれることはなくなります。
以上のことを、抽象的にまとめると「思いやり」とか「相手の立場に立って」などと いう説明になると思うのですが、そのような説明を受けて全然わからなかったことを 今でも苛立ちとともに思い出す次第です。