上流工程とか下流工程とか言うくらいなら

システムエンジニアという仕事をしていると「上流工程」とか「下流工程」という言葉を使うことがありますが、この言葉は嫌いです。

人月での見積りでは「上流工程」には単価が高いとされる要件定義などをし、「下流工程」には単価が安いとされる開発やテストなどを含むのも一因でしょう。 上流や下流のように「上下」が熟語に含まれるとそこに「上下関係」があるような錯覚を抱いてしまいます。別に上流工程ができるからってエライなんてことないのに。


運用こそが上流工程,開発は下流工程 - 記者の眼:ITpro http://itpro.nikkeibp.co.jp/free/ITPro/OPINION/20020916/1/


だからこそ上記のような記事も登場していたわけです。 でも「どっちがエライ」のレベルから抜けられていないですね。

それに「上流工程」に至るまでには、日々の運用での気づきや問題点が大事なinputになるというのに完全に軽視しているような印象もあります。作れば終わりだと思っているから、日々の運用のことなんか考えないシステムができあがるのではないでしょうか。

そこで、上流、下流なんてせこいあらそいから一歩引いて、水の循環にまで視野を広げてしまえばどうでしょう。

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上流、下流なんて全体のごく一部の話で海に流れてから、雲になり、雨となり、地下水となって、やっと河川の上流という表面に出てくる。 このように考えれば、日々の運用も「次の案件へつながることなんだ…」と軽視されることはなくなるし、開発にあたる河川の上流から下流というのは一部のことだというのが理解できるのではないかと思うのです。

私はそのように考えて仕事をしているつもりです。