ソリューションレポート【次世代リーダー育成、異業種交流会】 - リクルートコミュニケーションエンジニアリング
という研修を受けてきました。 2泊3日+1日という長丁場で他の受講者と濃密な時間を過ごすことができました。
そのカリキュラムのなかで「自分なりのリーダー像」を描くというものがあるのですが、そこで自分で挙げた言葉の背景にイビチャ・オシム監督の言葉が多数あるのではないかという点に気付きました。気づいたきっかけは、私を評して「本質的なこと以外はやりたくないと考えている」「教育者っぽい」「理想か哲学を感じる」といった他の受講生のコメントです。
以下自分の備忘を主目的として自分が書き出した言葉とオシム監督の言葉を対比させておきます。
カギカッコの中が自分の言葉、引用部分がオシムの言葉です。
イビチャ・オシム監督とは
- サッカー監督
- 1990年ワールドカップのユーゴスラヴィア代表監督
- 2003年に来日、ジェフユナイテッド市原の監督に就任
- 2006年サッカー日本代表の監督に就任
- 2007年脳梗塞に倒れ退任
詳しくはWikipediaを参照してください。
2003年当時私は、今の会社に就職して2年目でした。 ジェフを応援している私が影響を受けないわけがないとも言えますね。
楽に仕事がしたい
「楽に仕事をしたい」 「楽になるためには仕事で必要とされる知識を身につける必要がある」 「知識・スキルがなかったらどうやって仕事をするというのか」
走れなかったら、どうやってサッカーをやるんだ? ボールを持っていたら相手が取りに来る。 取られないためには走る。 取られたら走って奪いに行く。 そんなのはルール以前の話だ。
2005年10月発売 「オシムの言葉」より
「想定される場面を考えて準備していれば、楽に本番リリース作業や顧客との打ち合わせをこなせる」
肉離れ? ライオンに襲われた野うさぎが逃げ出すときに肉離れしますか? 準備が足りないのです。 私は現役のとき一度もしたことはない。
2003年4月 故障者が続いたチーム状況について岡社長に
今からピッチで起こりうることを想定しよう。 今からできたら、ピッチでプレーすることが容易になるからだ。
2005-04-16 鹿島戦前 ミーティングにて
ここでいろんな事を伝えることはできるが、 結局プレーするのは君たち。 今からどんな状況にも対応できるよう準備をしていこう。
2005-08-21 柏戦前 ミーティングにて
「目的に対してムダな作業はしたくない。仕事のための仕事になっていないか?」
それは練習のための練習ではなくて、やはり試合のための練習なんだ。
2004-04-19 週刊サッカーマガジン5/4号(971)コーチングイズマイライフより3
チームとして仕事をする
「メンバーのうち誰か一人が入れ替わったとしても、同じだけの仕事をチームとしてこなせなければならない」
崔龍洙やサンドロがいなくなってジェフが変わってしまうのなら、 それは本当のチームとはいえない。
2003-08-17 神戸戦後の会見にて
試合に出て、しっかりとプレーできるジェフの選手は10人だけではないということ。 多くの観客、多くの人たちがそれを理解したと思う。 今日、普段はレギュラーではないのに、試合に出て、 レギュラーと同じようにプレーできた選手がたくさんいた。
2005-08-13 磐田戦後の監督会見より
「自分ひとりの力だけで仕事をしていると勘違いしないこと」
2点をとったのは佐藤でも勇人でもなく、 ジェフというチームが挙げたものだ。私はそう考えている。
2003-10-18 仙台戦後の会見にて、2得点した佐藤勇人の評価を聞かれ
成長について
「今できることより少しだけ難しい仕事をしてもらう、もちろん私自身も含めて」
限界には、限界はありません。 限界の定義は何だと思いますか。 限界は個々の選手の目標で、 限界を超えれば、次の限界が生まれるのです。
2003年4月 選手に課しているハードトレーニングについての岡社長との会話の中
私は彼らが変わろうとする手助けをするだけ。 重要なことは選手に『もっとできる』と思わせること
2003-07-08 2003年7月8日発売 日本経済新聞夕刊「リーダーの力」より
「自分たちが今まで積み重ねてきたことを信じよう」 「そして、その上に少しでも積み重ねよう」
大事なのは自分たちのことを考えること。 ことわざで『自分が持っている馬と自分を信じろ』というのがある。 今はそういった心境だ。
2004-10-23 名古屋戦の監督会見にて
「良し悪しははっきり伝える」 「一度の失敗で『使えないやつ』の烙印を押さない」
イヴォは若い次期に国を出て小さなクラブを試合に出られないまま転々としていたから、 一貫して教えられらたのがなかった。 だから徹底して何がダメかを教えて叱った。 ただ、それより重要なのは、ミスをして叱っても使い続けるということだ。 (中略) ミスを恐れてリスクを冒さなくなってしまうだろう。
2005年10月発売 「オシムの言葉」より
危機の芽をつむ
「仕事が順調に進んでいるようなときこそ、その内実を確認しないといけない」
監督というものは、常に何がうまくいっていないかを探さないといけない。 私はブラシのようなもの。常にホコリをはらうことをしないといけないのだ。 2004-08-29 鹿島戦の試合後の監督会見にて
リーダーとして
「自分が指摘や気付きをうながすことによって、メンバーが以前にはできなかったことがあたらしくできるようになるとうれしい」
練習でやったことを選手が試合でうまくできたとき、自分の力がチームを助けたという意味である。 ただ自分が喜ぶというより、選手が喜んでいる時は監督もうれしいもの。 ただ喜んでばかりはいられない。自分の感情をコントロールして次に備えることも必要だ。
2004-04-19 週刊サッカーマガジン5/4号(971)コーチングイズマイライフより2
「リーダーのありようは多種多様、人のやりかたを気にしてもしかたがない」 「"みんな違って、みんないい"(金子みすゞ)を忘れずに」
監督のあるべき姿は、一つに定義付けできない。 誰かのマネをして同じことをしても、優勝はできない。 一方、自分一人の力だけでやっていけるわけでもない。 選手や組織のことを考慮しつつ、それぞれの考えや個性を生かしていければいい。
2004-12-07 朝日新聞朝刊「オシムの提言」より
オシムみたいなキャッチーな言葉で人に伝える知性は私にはないですが、愚直にコミュニケーションをしたいと思います。
考えながら、走れ。は「自分の行動に根拠を持て、理由を問われて答えられるか?」と伝えていきたいです。
参考
オシム語録-イビチャ・オシムの名言 イビチャ・オシム監督語録 | ジェフユナイテッド市原・千葉オフィシャルサイト
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