「己の欲せざるところは人に施すなかれ」というのは、『論語』に登場する言葉で、孔子が弟子の子貢に語ったものです。
【読み】 おのれのほっせざるところはひとにほどこすなかれ 【意味】 己の欲せざる所は人に施す勿れとは、自分がして欲しくないと思うことは、他人にとっても同じなのだから、他人にすべきではないということ。
で、私自身この言葉を悪くない考えだなと思い、行動規範にしてきたつもりなのですが この行動規範でも相手の欲しないところにヒットする危険があるのだなと思ってきたので整理します。
スルー力が高い場合
欲するところと、欲せざるところの間に「どうでもいい」という緩衝地帯が多い人と、少ない人がいるように思うのです。 緩衝地帯が多い人は「スルー力が高い」ということになるでしょうか。
ざくっと欲する(OK)、欲しない(NG)をグラフにしてみました。 Aさんが緩衝地帯が広い人、Bさんが狭い人です。
Aさんが「どうでもいい」というゾーンが大きく、積極的に「欲しない」ゾーンが狭いです。 Aさんが「己の欲せざるところ」を避けて行動したとしても、Bさんの欲しないゾーンにヒットしてしまいます。
全体的に「どうでもいい」ゾーンが大きい人は、意図せずに「相手の欲していないことをしている」可能性が高そうです。
好みの基準が違う場合
では、己が欲するところを人に施せばいいのかというとそういうわけでもなくて…
縦軸はいろいろな行為ととらえてください。 同じ行為でも
- Cさんにとっては「OK」でも、Dさんにとっては「NG」
- Dさんにとっては「NG」でも、Cさんにとっては「OK」
のゾーンがあります。
こちらも、欲せざるところをさけて、自分がしてほしいことをしていても、 相手にとって欲していない振る舞いとをしてしまうことになります。
では、どうすればいいのか
完全なる回避策はないのかなあと思います。
- 都度、自分は「欲していない」というメッセージを出していくこと
- 「欲していない」とういメッセージを受けたら、しないようにすること
- 権力関係などにより「欲していない」メッセージが出しづらい状況に敏感であること
- その場合にはなるべく、万人が「OK」の領域の振る舞いを心がけること
を気をつけていくしかないのかな
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