今から10年ほど前の話です。 私は大学入試の際、経済学部を受けませんでした。 大学で経済を学んでも、面白くなさそうだと思ったからです。 (数学ができないからだろというのは、さておいて) 経済の入門書に出てくる人間の前提に「そんな合理的な人間がいるかよ」という思いを拭いきれなかったもので、早々に学びたいことの選択から外していました。
戦争を経済の切り口で分析してみたり、なぜ衝動買いをするのかという研究のほうが、人のニオイが感じれれて、わくわくします。
神永氏と小飼氏のセミナーのなかで、「経済学は物理学と心理学に回帰していくと思う」という一節がありました。 心理学としての経済学というと「行動経済学」ですね。 上の表現にならえば、「人のニオイがする経済学」だと思います。
2009年6月号の『日経情報ストラテジー』では、その行動経済学が特集されていました。 日経情報ストラテジー 2009年6月号:ITpro
特集の最初のページでは「行動経済学」と「伝統的な経済学」の対比を行なっています。 ここで言う「伝統」って、せいぜい近代ですよね。 以下その表の引用です。
伝統的な経済学 | 行動経済学 |
---|---|
良質な物・サービスなら満足する | 良質でも面白くない物、納得できないサービスには満足しない |
人はあらゆる選択肢から合理的に選択する | 同じ選択肢でも、提示のされ方によって選択は変わる |
人の好みは一定である | 人の好みは状況によって変わる |
そういえば、うちにも行動経済学の本があったのでした。
- 作者: マッテオモッテルリーニ,泉典子
- 出版社/メーカー: 紀伊國屋書店
- 発売日: 2008/04/17
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経済学というよりは、心理学や脳科学など人間を研究した学問の成果が投入されている印象です。 この本を読んだあとの感じは、池谷氏が書く脳についての本を読んだあとの感じに似ています。
進化しすぎた脳―中高生と語る「大脳生理学」の最前線 (ブルーバックス)
- 作者: 池谷裕二
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2007/01/19
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結局、社会や経済というものは、ミクロに見れば人間が構成しているものなんだよなという印象を新たにしたのでした。
ではマクロに見たら? 人間ひとりひとりは、ブラウン運動でもしているように見えるかもしれませんね。 ブラウン運動 - Wikipedia
経済物理学に話を続けられるかな。(^^ 経済物理学 - Wikipedia