神永正博氏・小飼弾氏トークセミナー@丸善(その1) | 君のてのひらからの続き。
質疑応答で印象に残った質問とまとめについて書きます。
質疑応答
特に印象に残った質問をひとつ。 自分が普段かかえてた思いと似た質問だったので「ヤラレタ」感がありましたが..
質問「統計に興味がない人に、納得してもらうにはどうすれば良いか」
[神] データを歴史的に、ストーリーでつなげて話すのはどうか。ストーリーがないと理解できないのでは。 [弾] 「相関の因果化」ってことですよね。人は因果で動きますから。統計でできるのは「相関」まで。
仕事を通じて思いあたるふしがあったので、深く印象に残りました。
とあるお客さまの意思決定者(お金を出す判断をする人)は、ストーリーで説明しないと納得してくれません。 でも、私の対面にいる顧客窓口の人は「データでごりごり理詰め」のほうが納得できるみたいです。 で、窓口の人が納得する資料でもって、承認を取りにいくと「わかんね」と返されるという...
今のところ、私が意識しているのは、
- 意思決定者にはストーリーで説明して、承認を取りつける
- 窓口の人に「細かいところはよろしく!」と意思決定者に言ってもらう
- 窓口の人は、細かい見積りチェックとか、データの妥当性とか見てもらう
という流れです。この流れにはまれば、楽に話が進みます。
そんな経験に「相関の因果化」という言葉がピッタリはまりました。この一言を得られただけでも、ラッキーな感じです。し質問してくれた方、ありがとうございます。
まとめ
今興味あること...
[神] 経済学について調べている。よくわからない。「誰それが言ったから」の権威論証ばかりしている印象。クルーグマンは、「実証」の論文はない。 [弾] 結局、「オイコノミクス」に戻っていくのかなと思う。学問としても、物理学と心理学に戻りつつある。経済学って人をガスのように扱っている。実際の人は、目の前のことを大きく評価してしまう傾向があるのに。
[弾] 最近、経済学者が間違ったいい事例がある。ブラック=ショールズ式。 [神] 正規分布を経済の動きにあてはめてしまったのが問題。でも、あの美しい正規分布の式を経済にあてはめたくなる気持ちはよくわかる。結局、起きてもいないことはわからない。今やっていることが、正しいかもしれないと思えば、同じ「ブラックスワン」でも前向きにとらえられるのでは。
以上です。 聞きながらメモを取り、ICレコーダーで録音もしていないので、聞き取り間違いや誤解などあるかもしれません。 もし参加されたかたで、誤りに気がつかれたかたは指摘いただけるとうれしいです。